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パニック

私は、頭をフル回転させた。脳梗塞の経験者をさがした。

勿論、医師のマニュアルどうり薬は飲んでいるが、

 

生の意見を探した。

 

どうやって生の声を拾うかと言うと、道ばたで知り合う知人に片っ端から脳梗塞になった事を伝えた。

 

すると、隣の住人の奥様が脳梗塞経験者であった。

「わたくしはね、二度も脳梗塞をやったのよ。。」と、エレベータ前で教えてくれ

奥様は、「大丈夫よ、薬をきちんと飲んで水で流すのよ。私は、水が飲めなくて笑

でもね、少なくとも一リットルは飲むのよ。サラサラのお薬を流すためにね。」と、、  

 

「大丈夫よ、病気じゃないんだから。」と、励ましてくれた。ホッ、、、

 

そうそう、下の階にも確か一人脳梗塞の方いたな、、

 

私は、その玄関の前のピンポンを夢中で押していた。

 

何事かと思っただろう。15年も同じマンションに住んでいて、ご挨拶こそすれピンポンを押したのは初めてだ。

 

私は、唐突に「あのお、実は主人脳梗塞になり色々教えていただきたい事がありまして、ご主人様をちょっとおかりしてもよろしいでしょうか・・・」

と、あり得ない行動をしていた。

 

奥様に、冷静になり事情を説明して理解を得ると夕暮れのベランダで新聞を読んでいたご主人に伝えてくれた。

 

私は、ご主人をひっぱり上の階の自宅に連れ、

「お友達ですよお・・・」と、対面させた。

 

猫の砂で汚れた、片付けもしていないテーブルにお茶をだし、脳梗塞の体験談をお話していただいた。

 

すると、その方は「俺はねえ、娘の結婚式当日緊張してねえ、ストレスで脳梗塞になったんだよ笑」と、、

 

なんと、主人と同じ病院で、同じ病名で、看護士さん達に娘さんの結婚式!!!

と驚かれて人気者になっていた笑い話をしてくださった。

 

後で、奥様に聞いたところ、

「結婚式でバージンロードを一緒に歩くのが凄い緊張していたのよ笑」

と、おっしゃっていた。

 

ストレスは、人それぞれで考え方、感じ方は違うんだな、、と思った。

 

で、その結婚式で二度目の脳梗塞を経験した明るい紳士は、素晴らしい

言葉を投げかけてくださった。

 

「自然でいいんだよお。

こうやって、自然に生活していればいいんだよお」と。

 

何だか、皆で笑った。

 

「完璧なんてないよな。」と

健康で仕事していることが当たり前と思っていた自分を見つめ直した。